完璧を求めるあまりに、できなくなっていることがあった。【オリジナル小説】【短編】

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オリジナル小説です。

 


 
 
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結婚して、5年になる。
私は、持病の関係もあって、主婦業をメインにブログを書いて広告収入を得ている。
 
主人の扶養範囲内で収入を得てはいるが、
範囲内と言っても、まだ稼げる金額に余裕がある。
 
収入は横ばいで、伸びていないのだ。
 
 
理由はわかっている。
主婦業、家事を優先させており、
主人に合わせて生活をしているから、
 
なかなか、執筆の時間が取れないのだ。
 
 
正直、かなり悩んでいる。
 
 
ブログ収入などで稼いでいる主婦の方たちの記事を読んでいて、
あることに気づいてしまった。
 
 
かなりの額を稼いでいる主婦の方々の大半が「モラハラ夫との離婚を目指して努力している」ということに。
 
自慢に聞こえるかもしれないが、
私の主人は、とても優しい。
 
意見のぶつけ合いをすることはあっても、
喧嘩をすることはほとんどない。
 
モラハラ夫という言葉とは、かけ離れた男である。
 
 
生活も安定しているし、
お金に困っているということもない。
 
ブランド品にも興味は薄いし、
贅沢をするわけでもなく、欲も薄いから、
 
私自身が、ブログ収入に対して本気になれないのだ。
 
 
こんなことを誰に相談したらいいのか。
友人にしたところで、嫌味に思われてしまう。
 
 
そんなわけで、主人に相談することにした。
 
 
「そんなことを言われても」
 
困った顔をした男は、解いていたナンプレパズルの本を閉じた。
 
 
「やる気になる理由が欲しい!!」
「俺にモラハラしろと?」
「それは、嫌だ!」
 
 
自分でも無茶苦茶なことを言っているのはわかっているが、
自分でも、どうしたらいいのかわからないのだ。
  
  
「まあ、確かにこのご時世、個人の収入があった方がいいけど」
「私もそう思う」
「現状に満足しちゃってるんだよね」
「そう」
 
 
自分で言うのもアレなのだが、
私は典型的な専業主婦タイプなのだ。
 
家事は得意だし、
夫に合わせて生活を送ることも苦ではない。
 
ただ、そこに在宅とはいえ「仕事」が入ると苦痛が生まれるので、
どうしても、家事と夫を優先してしまう。
  
  
「家のことをしてくれているから、俺は仕事に邁進できている部分はあるけど」
「そうなんだよ。私が仕事に邁進すると、家事が疎かになるんだよ」
「ってか、我が家はきれいすぎるくらいだから、少しサボったら?」
「毎日、掃除しないと、落ち着かないんだよ」
 
  
ん?
今、なんか引っかかったな。
  
  
「週末の休みに2人で、一気に綺麗にすれば良くない?」
「毎日の料理も、野菜たくさん取りたいし」
「気持ちもわかるけど」
「仕事するにも栄養が大事だし」
 
 
なんか、私って。
  
  
「私って、完璧主義か?」
「まあ、その気はあるね」
  
  
解決策が、なんとなくわかった気がする。
それが、できるかどうかは、別問題として。
 
 
「答えは出たみたいだね」
「まあ」
「俺は、部屋が多少汚れていても、家事に手を抜いても問題ないから」
「あとは、私次第か」
「また、考えに詰まったら、言っておいで」
 
 
答えは出たけれど、
完璧でなくする、サボり癖をつける、とか。
 
とりあえず、明日は掃除をサボってみるか。
 
 
 
 
 
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