消えかけて、生き返って、また消えた。① 【オリジナル小説】【短編】

 

 人間とは何か。
 
 私にはそれがわからない。
 
 考えれば考えるほど、わからない。
 
 
 私は何が好きなのだろうか。
 好きだと思っているものは、私が心からそう思っているものなのだろうか。
 周りに流されているだけなのではないか。
 
「これが好きなんだ」
 
 そう言っているけれど、本当なのだろうか。
 
 好きだと思っているのに、
 頬が緩んでしまうことだってあるのに。
 
 本当に自分の意思で好きなのだろうか、と考えてしまう。
 
 
 私は昔から自分の意思がなかった。
 親の言う通りに生きてきたし、望むようなことしかしなかった。
 言いなりだった。
 
 友達に合わせて流行りのものを「これいいよね」なんて言いながら所持していたし、
 クラスで浮かないために必死だった。
 
 だから「自分が本当に好きなのか」と心に問いかけたとき「どうなのだろう」と疑問に感じてしまう。
 
 流されやすい、八方美人。
 自分のことをそう思っている。
 
 生まれてから長い間、そうやって生きてきたので
 自分が何が好きで、どういう人間なのか、いまだにわからないのだ。

 

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