「竜」の心の叫びに涙がこぼれました。【竜とそばかすの姫】【ネタバレ感想】
※こちらは「竜とそばかすの姫」のネタバレを含む感想になります。
※自己責任でお読みください。
こんにちは。
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
2021年7月公開、細田守監督の「竜とそばかすの姫」を観てきたので、感想です。
ネタバレを含みますので、知りたくない人は読まないでくださいね。
※1度観ただけなので、台詞は少し違いますがニュアンスは合ってます。ご了承ください。
結果として「Uの世界」の悪役「竜」は、
親から虐待を受けている14歳の少年でした。
それを知った「すず」は、ネットを介して彼とコンタクトを取ります。
「助けたい」と言った彼女に対して、
少年は「助けるなんて言葉は、うんざりだ」と叫びます。
私は身体的虐待は受けていませんが、
精神的、金銭的虐待、過干渉を毒親から受けてきました。
故に彼の「うんざりだ」という言葉に涙が出てきたのです。
「ご両親とは、きちんとお話をしました」
「ご両親は、わかってくれました」
「これで、大丈夫ですね」
子どもの頃、親からなにをされても、
どんなに傷つけられても、
周りにいる大人たちは、口を出すだけ、
形式的な対応をするだけで、助けてくれることはありません。
最後には、
「産んでくれたことに感謝しなさい」
「あなたのことを思って、してくれているのよ」
「あなたが子どもだから、愛情に気づけないだけよ」
「親なのだから、否定してはいけない」と口にするのです。
どんなに苦しくて、辛くて、心が壊れていくのに、
周りは「あなたの親なのよ」「話せばわかってくれるわ」と丸め込んできます。
心の痛みを抱えきれずに自分を傷つけても、
感情を無くしても、体が痛みを感じなくなっても、
誰も「私」を理解しようとしません。
私は大人になって結婚して、主人の協力を得て親と縁を切りました。
それができたのは「大人になって自分で稼ぐことができたから」です。
お金を稼ぐこともできず、
親に養われるしかない子どもの時は、
どんな親であろうと従うしかありません。
暴言を吐かれても、否定されても、
お金を取られても、道具として扱われても、耐えるしかないのです。
親に養われるしかなく、
お金を稼ぐこともできず、衣食住のために従うしかないのです。
死にたくなるくらい辛くても、
「逃げたら、生きてけない」ので、耐えるしかありません。
周りの大人は口では優しい言葉をかけてくれても、
誰も助けてはくれません。
結局は「面倒ごとには関わりたくない」のです。
虐待を受けている子どもは、
耐えて頑張って、大人になって十分に稼げるようになってから逃げ出すか、
稼げもしない子どもの時に逃げ出して、衣食住もままならない生活を送るのか。
私は身体的な虐待ではなかったので、
「1人で生きていけるくらい十分に稼げるようになるまで耐える」ことを選択しました。
寝るまも惜しんで仕事をして、仕事以外に家事などのスキルも身につけ、
広く浅く、オールマイティな人間になることに心血を注いたのです。
その努力とスキル、思考力を見込まれて主人に見込まれパートナーとなり、
「あなたの親のせいで、あなたが潰される」と縁を切ることを推奨してくれました。
私は運よく理解のある優しい男性と出会い、
親と縁を切って、幸せに暮らしていますが、
過去の記憶がフラッシュバッグして発作的に過呼吸になったり声が出なくなったり、
トラウマに苦しんでいます。
虐待を受けた子どもの場合、
その当時も辛いし、逃げ出して幸せに生きている時もトラウマが蘇って辛いのです。
【竜とそばかすの姫】に中で、
「竜」である少年が言った「助けるなんて言葉は、うんざりだ」は、事実です。
虐待を受けた場合、
現実では周りの助けなど期待できません。
助けられたとしても、生活は苦しいですし、将来的に不利なこともたくさんあります。
耐えて耐えて、独り立ちするように努力して逃げたとしても、
耐えているあいだに感情は消えていきますし、体にも不調をきたします。
親は選べないし、どうしたらいいのかわからないし、
本当に耐えるしかないのです。
どうしたら解決できるのか、幸せな人生を歩めるのか、
私にはわかりません。
今は幸せに暮らしているけれど、
トラウマに苦しめられることは、本当に辛いです。
なんかうまく纏まらないし、
何を伝えたいのか自分でもわからなくなってしまいました。
簡単にいうと、
少年の「助けるなんて言葉は、うんざりだ」という言葉を聞いて、
色々思い出して、泣けてきたって話です。
るい