オリジナル小説 / 短編

お互いのために、別の人生を歩んで幸せになろうよ。

 私の求める生き方とは、なにか。
 その答えは、もう出ているけれど正しいのかはわからない。
 
 人に関わらないように、ひっそりと生きていきたいと言ったら殆どの人が私のことをおかしいと言ったのだ。なんでも「人と関わらなければ、生きていくことができない」らしいのだ。
 けれど、私はそうは思わない。
 今は、インターネットもあるし、ネットビジネスもできる。人と関りを持たなくても、努力次第で稼ぐことはできる。家から出ずに仕事をすることは可能なのだ。
 親にそう説明したが、怒鳴られて最後には殴られた。
 
「そんなことで生きていけると思うな!」
 
 私の言葉を理解しようとせずに、ただ否定して怒鳴りつけて、暴力で従わせようとした。
 そのころの私はまだ若く、自分に自信もなかったので周りの言うことをおかしいと思いながらも、従ってしまった。会社に勤めて、くたくたになるまで働いても月に20万円にも満たない。
 そんな生活が5年ほど続き、収入なども含めて危機感を抱いた私は副業として、やりたかったネットビジネスを始めた。思いのほかうまくいって、会社員をしているよりも稼げるようになった。
 会社を辞めても生活ができるという確信を得てから、会社を辞めた。

 そして、また親に殴られた。
 
 黙って会社を辞めたことを非難され、親のすねをかじる気かと散々怒鳴られた。
 ネットビジネスのことを説明して、どれくらいの収入があるのかを説明したが、理解しようとする姿勢すらみせてくれなかった。
 そんな詐欺まがいの仕事をして恥ずかしくないのか。いつか犯罪者になるぞなどと騒いでいたが、まったく意味が分からない。なんとか説明して理解してもらおうとしたのだが、話を聞こうとしない。
 父親は怒鳴るばかり、母親は老後の心配をして泣き出す始末だ。
 この人たちは、私の話を聞く気もないし、理解する気もない。
 
 会社員をしていたときよりも稼いでいるのに、それを詐欺と決めつけている。
 
 違法なことはしていないし、ちゃんと法律にもルールにも沿っている仕事なのに「詐欺だ」と決めつけて、私が頑張ってきたことを否定する。
 
「わかった。お父さんたちに迷惑をかけたくないから、迷惑をかけないように縁を切って出ていくよ」
 
 すべてがバカらしくなって、気づくとそう告げていた。

 父親は、「そうしてくれ!おまえみたいな恥知らずは知らん!」と声を荒げた。
 母親は、「こんなことを言う子は、知りません」と泣いていた。
 
 その日の夜に、家を出た。
 荷物は、財布とスマホ、ノートパソコンと通帳に印鑑だけで充分だ。
 
 暫くはビジネスホテルに泊まって、住む家を探した。
 どうせなら遠くに引っ越そうと思い、拠点を別の地域へと変えた。
 
 今は海の見える田舎町で暮らしている。
 
 私の仕事はネット環境があれば、どこでもできるものだったので住む場所は関係ないのだ。
 居心地のいい場所であれば、それでいい。
 
 親は私がすぐに帰ってくると思っていたらしく、1か月後くらいにメールや電話が来ていたが、すべて無視をして、スマホも解約して番号を変えた。
 
 彼らがどうしているかは知らないけれど。
 昔から「役に立たない」「なんのとりえもない」「見ていてイライラする」と言われていたし。
 
 目障りな娘がいなくなって、きっと幸せに暮らしているのだろう。

泪-rui-

 

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rui@rui-world.net
主婦です。 気ままに活動しています。