彩られた無色(オリジナル小説)

第2話 私は感情を作り出している。②

 

 

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 昼間のコンビニはお客さんが途切れることは殆どない。
 立地がいいからか、それなりに繁盛しているので下手をすると休憩を取れないときもある。

 高校時代からここで働いているために古株という扱いで仕事量も多いし、店長補佐のような立場でもある。
 それ故に、自分が休むことよりも他のバイトやパートに休憩を取らせることを優先してしまうのだ。

 事務などの雑務も引き受けているために時給はあげてもらっているから、それなりの仕事をするのだ。

「恵梨香、悪いけど在庫確認お願いしてもいい?」

 事務所で本社からの書類をチェックしていた店長が顔を出した。
 細かい作業が苦手な店長は書類を読むことも嫌がる。

 なので、すべて私が目を通してから必要なことだけを伝え、どうしても全部読んでほしいものだけ読んでもらうことにしている。

 頼りにしてくれることは嬉しいけれど、頼られすぎても困るのだ。
 断れない私のも問題があるのだが、そのおかげで時給が上がっているので仕方ない。

 店長にレジを任せて店内の在庫をチェックした。
 賞味期限が切れそうな品物の在庫と陳列棚を整頓する。

 もったいない話だが賞味期限が切れると廃棄しなければいけないので、なるべく売り切るようにしている。
 割引をして売ることも、従業員が持ち帰ることもできないから本当にもったいない。

 ポップを作ったり、従業員が商品の感想を書いて貼りだしたりして営業努力をしているが、かなりの成果がある。
 本社からの指示はあるが、フランチャイズのコンビニなのである程度は自由に活動ができる。

 店内を一通りチェックしてから、事務所に入った。
 書類に残さなくてはいけないので、店内のことは店長とパートの方に任せる。
 

 新しく入った主婦のパートからは「座って仕事ができていいわね」と妬みを言われることもあるが、笑って流している。
 そんな妬みを抱かれるのは私の仕事量を知らないからだろうし、知っていても自分の仕事が増えないように見て見ぬふりをしているのだろう。

 それに構っている時間がもったいないし、気を揉むくらいならさっさと仕事を終わらせたほうがいい。

 お客さんが多くなる時間までに戻らなくてはいけないから、手早く済ませよう。

 

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投稿者

rui@rui-world.net
主婦です。 気ままに活動しています。

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