【オリジナル小説】 都合のいい神様は存在しません。 小説

【都合のいい神様は存在しません。】 第16話

 

 
 
「古書喫茶Note」は、本当に変わったシステムだと思う。
 
料金設定がないからだ。
コーヒーもお菓子も、ランチとかの料理も一切に値段がない。
 
「サービス料はお気持ちで」と書かれた木箱が置いてあるだけだ。
 
 
お金を入れなくてもいいらしい。
殆どは500円くらいを入れていくと言っていたけれど、
出しているスイーツは高級だし、作っているランチの材料もいいものを使っている。
 
この間は、めちゃくちゃ美味しい牡蠣フライが出てきたし、
使っている油も、スーパーで見かけるような安物ではなかった。
 
 
なんでも別の仕事で収入を得ていて、
「古書喫茶Note」は、その仕事のための情報収集とかネタ取得のためらしい。
 
だから、Noteで収益が出なくてもいいとのことだ。
 
もちろん、旦那さんの稼ぎではなく、都さん個人が稼いでいるものなので、
お父さんが勤めている会社には、なんの関係もない。 
 
別の仕事について聞いてみたら、ネットを利用したものだと教えてくれた。
ただ、詳細について教えてもらえるのは明日以降になるとのことだ。
 
 
それだけでも、都さんが只者ではないことが理解できる。
 
 
両親が、都さんのところで学ぶことを推奨したのも、そういう理由なのだろう。
 
 
私自身も、学校を休むようになってからインターネットを使って、いろいろなことを調べた。
お父さんからアドバイスをもらって、世の中にどんな仕事があるのか、とか。
そのために必要なものは、なにかとか。
 
今まで、まったく興味がなかったお父さんの書斎にある本棚からも本を貸してもらった。
 
本を読むなんて、かなり久しぶりで大変だったけど、なんとか1冊読んだ。
それは、経済の仕組みや流れをわかりやすく解説したもので、
内容としては、少し古いものだったけど、読み進めていくうちに面白くなったのだ。
 
 
その本に興味を持ったのも、読んでみようと完読したのも、
都さんという人と出会って、興味を持ったからだと思う。
 
 
まったくお金にならないような喫茶店を営んでいるのに、
他のことで、それを賄えるくらい稼いでいて、
さらには、ほとんど毎日のように喫茶店にいる。
 
 
学校の先生たちは、いつも言っていた。
 
大人になったら、毎日会社にいって仕事をして、お金を稼いで生きていくのだと。
 
だから、勉強しなくてはいけないのだ。
 
毎日、遊んでいるような大人になってはいけない、と。
 
 
「古書喫茶Note」にいる人たちは、どちらかというと毎日のように遊んでいるイメージがある。
 
都さんだって、働いているとはいえない。
 
それでも、「遊んでいるような大人になってはいけない」と口を酸っぱくして指導する先生たちよりもお金を稼いでいる。
 
 
子どもの私には、どうしてそうなのかが理解できない。
だからこそ、知りたいと思ったのだ。
 
 

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泪-rui-

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